Satotsu & Daisuke インタビュー 後編!by 増田 勇一
アタクシさとつと嶋崎さんのインタビュー後編をお届けいたします!ニューアルバムだけでなく、Wacken Open Air 2018出演について、渋谷Metal-Kai Recordsについて、ミュージックビデオ"Blast Our Way Out"について等…
語りまくっております!
インタビュアーはもちろん増田さん!
それでは後編どうぞ!!
――ところでEND ALLは2018年、ドイツの『WACKEN OPEN AIR』での『METAL BATTLE』に日本代表として出場を果たしているじゃないですか。今にして思えば、あの時の経験というのはどんな影響をバンドにもたらしたといえそうですか?
DAISUKE:俺はなんか、正直、『WACKEN』でやれたことはそこまでの活動の結果に過ぎないのかな、みたいに思っていて。なにしろその前に、前作のツアーを馬鹿みたいにやってきて、1年がかりで各地を廻ってきてたわけですよ(笑)。
SATOTSU:北海道から沖縄まで行ったもんね。全部じゃないけど…
DAISUKE:しかもその間にメンバー・チェンジも経験しつつ、結構いろいろあって。そのなかで俺自身、なんか疲れとか悩みとかも結構あったんです。こんなことやってて意味あんのかな、いつか報われることってあるのかな、みたいに考えちゃって。20代前半とかのバンドならわかるけど、実はサラリーマンやってたりもするわけで(笑)。ただ、最終的にツアー・ファイナルをやった時にすげえ盛り上がって、あの時に「やったな!」と思えて。
SATOTSU:その次の週だったもんね、『METAL BATTLE JAPAN』が。
DAISUKE:そう。その場で、ツアー・ファイナルの時のままのテンションの我々を観てもらって、それを認めてもらえたことが、結果、『WACKEN』に繋がってるのかなと思っていて。だから俺はむしろ、『WACKEN』に行けたことよりも、そこでの頑張りが認めてもらえたことが嬉しかったかな。そこが大きかった。
――つまり『WACKEN』に行けたことはあくまで賞品に過ぎなかった、と?
SATOTSU:めちゃくちゃデカいおまけというか(笑)。でも、そこでの感じ方は俺もまったく一緒かな。『METAL BATTLE JAPAN』みたいなコンテスト的なものに出たのもあの時が初めてだったし、あそこで選んでもらえたっていうのはすごく嬉しかった。「ああ、自分たちにはちゃんとカッコいいことできてるんだ」「今までやってきたこと間違ってなかったんだ」っていう気持ちになれたし。正直、『METAL BATTLE JAPAN』自体もまだあんまり浸透してないし、自分たちとしてもさほど深く考えずに出たようなところがあったんですよ。そしたら選んでいただけて、しかもそれを喜んでくれる人たりがいて……それがいちばん嬉しかったですね。もうかれこれこのバンドを10年やってきてるんですけど、やってきて良かった、間違ってなかったなって実感できた瞬間だったし。当然、いつかは海外でやりたいっていう希望はあったけど、それがいきなり『WACKEN』かよ、というのもあったし(笑)。間違いなく今までやってきたステージでいちばんデカかったし、すごく刺激的だったし。実際やってる時はバタバタだったし必死だったけど、帰って来てみて改めて「ああ、すごい体験をさせてもらったんだな」って感じましたね。それは今でもときどき思うことで。
DAISUKE:そうだね。とにかくめちゃくちゃ有名なフェスじゃないですか。高校生の頃から名前を知ってたくらいだし。だからなんか、「おまえ『WACKEN』に出たんだって?」とか人から言われると「あ、やっぱりすごいことだったんだな」と実感しちゃいますよね。逆に、「俺たち、あの『WACKEN』に出るんだぞ!」みたいな感覚は、出場が決まった当時もなかったんです。出るというより、出させてもらってる身なのは承知の上だったんで。だから自分から威張るようなことじゃない。もちろん、それを切っ掛けに今後いつか呼ばれるようなバンドになりたいな、というのはありましたけど。
SATOTSU:本当にそうなるのは難しいことですけどね。でも実際、あの時は、海外でも「END ALL、いいね!」って言ってくれる人が1人でも2人でも増えていってくれればな、というつもりで行ったし、そういう意味では上手くいったのかな、と。正直、向こうでの契約が決まるとか、次のツアーの話が来るみたいなことはなかったわけですけど、あれ以降、海外からの反応というのも確実に増えてきたし。
――しかもそうやって評価や反応を獲得することは、続けていくうえでの動機向上にも繋がるはずだと思うんです。
SATOTSU:そうなんですよね。それは大きかったかも。帰ってきて「じゃあ次、もっと頑張んなきゃ」という気持ちになれたというか、それが今回のアルバムに繋がったようにも思います。そういえば今回、『WACKEN』にちなんだ曲もあるんです。“Faster! Harder! Louder!”のことなんですけど。
――あのフェスのスローガンそのままですもんね。ところでひとつ確認なんですけど、SHIBUYA METAL-KAI RECORDSというのは、COCOBATのSEIKIさんと一緒に企んで始まったもの、と解釈して間違いないでしょうか?
SATOTSU:そうですね。いつぐらいだったかなあ。『WACKEN』に行く前からアルバムに向けて動き始めてはいたし、前作のツアー・ファイナルの時にも新曲を1曲やってたんですけど、それこそ中浦さんが入った時点でアルバムのことは頭のなかにはあって。そこで『渋谷メタル会』(渋谷CYCLONE及びGARRETで定期的に実施されている、飲み会的メタルDJイベント)を一緒にやってるSEIKIさんに話をしてみたところ、「レーベルみたいなことやったら面白いんじゃねえの?」って話になって。じゃあメタル会でそういうことをやってみようか、と。その話が転がってここまできた、という感じですかね。
――その第1弾がEND ALL。レーベルのイメージを左右する非常に重要な存在ということになりますが。
DAISUKE:はははは!
SATOTSU:でも実際、そういう意識もありました。SEIKIさんの側からも言ってもらえたんですよ。「自分たちでそういうことをやり始め得るからには、いいものを出したいから、曲のアレンジとかプロモーションの仕方にも口を出させてくれ」って。それも今回はデカかったかな。曲作りとか音作りについてもSEIKIさんからのインプットがあったし、レコーディングをしたのもCYCLONEのPA担当の岡嶋さんがエンジニアをやってるレインフォード・スタジオだったし。しかも、さっきも言いましたけどアートワークもCOCOBATのTAKE-SHITさんだし、ゲストでHIDEKIさんも歌ってくださってて。
――そういったCOCOBAT先輩からの協力ばかりじゃなく、ゲスト参加は他にもありますしね。そうやってまわりを巻き込みながら作れた、というのも大きかったんじゃないかと思います。
SATOTSU:前作の最大の違いはそこかもしれないですね。宣伝とかもそうですもんね。1人でも多くの人に聴いてもらえたほうがいいし、だったらミュージック・ビデオとかもちゃんと作ろうぜ、という話になったり。今まであんまりそういうことに力を入れたこと、なかったけど。
――“Blast Our Way Out”のビデオですよね。END ALLらしさ満点の仕上がりじゃないですか。
DAISUKE:夜中にCYCLONEで撮ったんですけど、深夜のテンション感が出てますよね(笑)。
SATOTSU:ビデオのなかで、いろんなバンドTシャツを着まわしたりしてるじゃないですか。ああいうディレクションとかも全部SEIKIさんのアイデアで。自分たちとしては、ライヴ・クリップではないんだけどシンプルでライヴ感のあるもの、という程度にしか考えてなかったんですね。ただ、実はそれがいちばん難しいじゃないですか。それで、どうしようかって話してた時に、あの人から「おまえら結局、メタル愛しかないから」って言われて。「それ以外、勝てるものがないから」って。で、そのメタル愛を、ああいう形で表現したらどうか、ということになったんです。島崎さんのサングラスとかもSEIKIさんの発案だったし。たまたまサイクロンの事務所にひとつあったやつを使って。
DAISUKE:今後はサングラスを常備しておくようにってSEIKIさんからも言われてます。あと、あのビデオを見てくれたHELLLHOUNDの人たちに言われました。「ちゃんとしたサングラスじゃなきゃ駄目だ。レイバンを買え!」って(笑)。あのビデオに関して言えば「俺らもみんなと一緒でヘヴィ・メタル好きですよ」というところが出てるものにしたかったし、実際そうなったと思うし、普通に面白おかしくなってる部分もあるし、そこでみんなで笑えりゃいいじゃん、みたいな。メタル・バンドってアー写も腕組んで上から見下ろしてるような、いかつい感じのやつとかが多いじゃないですか。でも、END ALLはそういう感じじゃなくて、あくまで等身大のイメージなんですよね。お客さんとも同じ目線の高さだし、一緒に楽しむ仲間同士だし、みたいな。そういう親しみやすさみたいなのが出たらいいな、とは話してたんです。
SATOTSU:そこは自分たちとしては大事にしていきたいところですね。
DAISUKE:うん。そこがこのバンドの色でもあると思うんで。
SATOTSU:たまたま俺らはステージに居て、みんなはフロアに居るけど、「この瞬間を一緒に楽しくやれたらいいんじゃない?」というライヴをいつもやってるつもりだし、俺らはやっぱりライヴ・バンドなんで、そういう瞬間を大事にできればいいのかな、と。何においてもそういうイメージのまま出ていけたらいいのかな、と思ってます。
(取材/文 増田勇一)
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